税理士法人白川会計 News Letter 7月号Aを発行しました!
今回のテーマは、
「中小企業を取り巻く事業承継の現状と
計画的な取組の必要性」です。
■ 事業承継とは?
事業承継とは、“現経営者から後継者へ
事業のバトンタッチ”を行うことですが、
企業がこれまで培ってきたさまざまな財産
(人・物・金・知的資産)を上手に引き継ぎ、
承継後の経営を安定させるために重要です。
■ 事業継承の現状
中小企業の休廃業・解散は
年間約4万件と高水準で推移し、
経営者の高齢化も進んでいます。
代表者の多くが60歳以上となっており、
事業承継の遅れは、雇用や技術の喪失といった
深刻な課題につながっています。
▼詳しくはこちら
独立行政法人 中小企業基盤整備機構
「中小企業経営者のための事業承継対策」
■ 早めの取組が必要
経営者が70歳以上の企業でも、後継者が未定または
了承を得ていないケースが3割超あり、
事業承継の準備が進んでいないのが現状です。
税や親族間の問題に加え、経営力や関係性、
ノウハウなど“見えにくい資産”の承継も大きな課題です。
これらの引き継ぎには時間がかかるため、
計画的かつ早期の取組と、
承継後も支援できる体制づくりが重要です。
▼詳しくはこちら
中小企業庁「中小企業白書(2024年度)」
■ 計画的に事業承継に取り組まないと…
【CASE1】
事業承継の準備をしないまま
経営者の判断能力が低下したケース
創業者A(食品製造・販売業の創業者)は
数年前から判断能力が低下。
共同経営者B(Aの弟で、現在は代表取締役)も
体調を崩し退任を望むが、親族内に後継者が不在。
業績は悪化し、Aが連帯保証していた債務が
個人資産を上回る状態に。
Aの相続人に多額の債務が残る可能性が生じている。
<POINT!>
事業承継の準備を怠ったことで、
経営の継続が困難になったケース。
後継者不在が予想される場合は、
早期に親族外承継も含めた対策が必要。
【CASE2】
自社の魅力を後継者に承継できず
取引先との友好な関係を築けていないケース
創業者C(機械製造業のオーナー)は、
長男D(Cの長男。後継者として取締役に就任して久しい)を
取締役に就任させたが、製品へのこだわりや魅力が
十分に伝わっていないと感じている。
Dは取引先との関係構築にも消極的で、
Cは今後も顧客の期待に応え続けられるか不安を抱いている。
<POINT!>
後継者に会社の強みや思いが伝わらず、
取引先との信頼関係が築けていない事例。
現経営者が後継者と対話を重ね、
事業や自社の価値を共有する機会を持つことが重要。
■ さいごに
事業承継では知的資産の引き継ぎが重要で、
時間をかけた準備が不可欠です。
現経営者と後継者が早期に対話を始め、
知的資産を見える化することで、
円滑な承継と会社の魅力向上に繋げましょう!