作成日:2019/04/01
【第32回】3拍子の対策〈リーダー〉⑴「プラス発想」
どんな仕事も手際よく処理する時はリズミカルである。特に「ワン、ツー、スリー」の 3拍子のリズムは極めて調子が良いものだ。「伸ばす経営」対策を3拍子のリズムに乗せ リーダー、バランス、戦略発想、基本徹底、風土改革の5大項目に整理して紹介したい。 リーダーに必須の3拍子は「プラス発想」「統率力」「部下育成」であり、さらに最初 の「プラス発想」は「チェンジ、チャンス、チャレンジ」の3拍子で表現できる。 1.チェンジ(変化) 歴史的に見ても、時代・環境が大きく変化したとき、産業界にはニュービジネスの誕生 など、弾みのついた変化が起きている。従って、あらゆる変化に対して前向きに臨むこと がリーダーに求められる。「大ピンチ」という「大変化」も、次の新しい展開を生むこと が多い。例えば企業体力が衰弱していたり、体力はあっても攻めの対策が取りづらい場合 は、この変化を外科手術(リストラ)を決断する時機と受け止め、活かすことが出来る。 2.チャンス(好機) 変化を前向きにチャンスと捉えることが大切。ベンチャー企業でも成功するためには 早い段階で貴重な失敗体験を積むことが望まれる。「失敗は成功の母」との格言は全く 正しい真理である。「変化はチャンス、ピンチこそチャンス」と心底受け止めることの 出来る人がリーダーである。今でこそ日本を代表するトヨタも昭和25年に倒産の瀬戸際 に追い込まれ、全従業員の約1/4に当たる、2,000人を超える人員整理とトップの辞任と いう辛酸を舐めた。そのことが後の成長に大きく繋がったのだ。 3.チャレンジ(挑戦) 経験や前例がないことでも、恐れず果敢にアタックしていくのがリーダー。ピンチで あろうが、チャンスであろうが、チームが前人未踏の課題を切り拓くリズムに乗るよう に先頭に立つのである。チェンジをチャンスと捉え「Change→Chance→Challenge」 (Cha・Cha・Cha)のリズムを創造するわけだ。「問題解決中毒症」と言われるほどの 改善・改良・開発の鬼と化したトヨタ歴代リーダーたちの挑戦者魂に学びたい。 |
〈今回のまとめ〉「変化に挑む心技体」
Changeの「g」を「c」に変えるとChanceになり、Changeに「lle」を挿入する とChallengeになる。「lle」は「Will(心)、Skill(技)、Element(体)」と解釈できる。 つまり、トヨタが資金の効率を追求する中でジャストインタイムの生産方式を開発 したように、具体的な心技体(強い意志、優れた技術、健全な体質)が欠かせない。 出発点はg(グレーな気分)をc(クリアな考え)に変えるプラス発想の心(意思)にある。 |