作成日:2017/12/01
【第16回】不変の対策⑻「判断力向上の基本」
どんな時代であっても、正しく物事を判断し、成果を生むよう行動するには、 まずは「現状を正しく把握すること」が第1ボタンになる。それがズレていると 最終段階でツジツマが合わなくなるからである。その大事な現状認識力を確実に マスターするために「3つの目」と「六ゲン主義」の2大柱を提言したい。 1.「3つの目」でバランス良くとらえる ⑴鳥の目…片寄りなく全体像を押さえる(大局眼)。 ⑵虫の目…密着して細かく分析して見る(分析眼)。 ⑶魚の目…潮流の変化トレンドを察知する(変化眼)。 実際には、まず「鳥の目」で大局的な課題を浮き彫りにし、その要因と思える 項目を「虫の目」で細かく分析する。その上で全体と部分の関連を見つつ変化 のトレンドを「魚の目」で察知し、最も重要な項目をつかむことになる。 2.「六ゲン主義」に立脚して考える ⑴現実…過去のことや類推ではなく、現在の実態をあるがままに知る(思い込み ・先入観の禁止、勘だけでは判断しない)。 ⑵現場…机上の空論を避け、実際に現場で起きている事実を押さえる。 ⑶現品…最も重要な対象物を目の前にし、実査した上で判断する。 ⑷原理…科学的に立証されている法則を当てはめて判断する(てこの原理、引力 の法則、エネルギー保存の法則など)。 ⑸原則…社会的に実証済みの法則を踏まえて判断する(因果関係、善因善果、 悪因悪果、スクラップ&ビルドなど)。 ⑹原点…目的、存在理由など、土台となる判断基準に照らし考える(会社とは何 か、わが社は何をもって社会の役に立つのかなど)。 「3つの目」を用いて課題を浮き彫りにするとき、「六ゲン主義」による事実 の整理を行い、本質を外さない対応策づくりに臨むことである。 |
〈今回のまとめ〉「事実と本質にこだわろう」
事実でないことを基に判断し考案した対応策はピンボケになる。また表面上 の現象だけに目を奪われて対処しても「モグラたたき」になりかねない。 問題を手際よく解決するためには、事実にこだわった正確な状況把握と、本質 をとらえた効果的、効率的な対応策をつくることが必要だ。 「それは事実か」「本質は何か」をクセづけし、互いの合言葉にしよう。 |