伸びる会社、伸ばす経営
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作成日:2016/10/01
【第2回】危ない経営者⑴「お人好し」



 「伸ばす経営」のポイントを話す前に、上手く行かず辛酸を舐めた経営者の例
を紹介することから始めたい。「危ない経営者」という反面教師を取り上げて、
我が身を振り返ってみようということだ。代表選手6人に登場頂くが一番バッター
は「お人好し」である。
 
 「人柄が良い」と「お人好し」ではニュアンスが違う。お人好しタイプは、
人柄が良すぎてダマされたり、判断基準が甘く大きな損失を計上したりする。
頼めば二つ返事で「よっしゃ、よっしゃ」と請け負う「太っ腹」がアダになる。
「心と頭」に分けて温度で表すと「ホットハート、ホットヘッド」となる人だ。
熱い思い、魂が燃えるのは大切だが、頭までホットになってしまうと正しい判断
が出来ない。どんな状況下でも、頭は常にクールでありたい。

 創業して15年を超え大きな借金を抱えた会社があった。典型的な「お人好し」
の社長であり、友人の経営者に頼まれると保証人にもなってやるタイプだ。借金
の大半も、その債務保証にからんだものであった。奥さんは「大丈夫かな」と気
を揉んでいたが社長が急病で他界され、後継者となり30年を超え頑張って来た。
その口ぐせは「社員と借金という2本の杖に支えられて来ました。」であった。

 専業主婦から経営者への転身であったが、亡夫の2倍の期間やって来て、地域
業界ナンバーワンかつ無借金の会社になった。ただ「主人の墓参りに行かない。
行くと、つい愚痴が出てしまうので」と笑っておられたのが大変印象的だった。
銀行の紹介で得た補佐役と社員の協力で、優しく厳しくもやって来たのである。
借金が大き過ぎて廃業できなかったことが彼女の新天地を開いたと言える。

 
   〈今回のまとめ〉「ホット&クール」

 愛情、友情、人情の「情」もきわめて大事であるが、同時に顧客満足、品質、
コスト、利益、そして資金繰りに対して「理性」のこだわりを持たないと上手く
行かない。良くしてあげたいとの熱い心と妥協のない冴え渡った頭の両方を併せ
持つこと。これを「ホットハート、クールヘッド」と言い、必須条件としたい。
逆の「クール&ホット」や「クール&クール」では誰の協力も得られず失敗する。
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