伸びる会社、伸ばす経営
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作成日:2016/11/01
【第3回】危ない経営者⑵「計数オンチ、法律オンチ」



 「危ない経営者」の二番バッターは、勘は鋭いが数字による物事の把握や管理、
また法律を念頭に置いた意思決定などが苦手なタイプである。客観的な事実より
も自身の主観や情緒で判断することが多く「計数オンチ、法律オンチ」と呼ぶ。

 「社長!命がけでやります!!」「やってくれるか、よろしく頼むぞ!」という
ようなやり取りの多い職場は、組織ぐるみで「計数オンチ、法律オンチ」の状況
に陥っていることが多い。つまり情緒的な「とにかく」「命がけで」「トコトン」
などの言葉が横行しており、それをトップ自身が大いに助長しているケースだ。

 そんな雰囲気の中で新年度の方針発表会が進められ、1年後また出席してみると
「頑張ってくれたが、目標達成が出来ず残念だった。今年こそ頼むぞ!」という
会社がある。命をかけたなら、事切れて他界しているはずなのに全員元気である。
「命がけ」を具体的に「睡眠3時間、食事1日1回で業務に没頭する」などと数字
を使って表現すれば迫力満点、行動基準も明確になるので自他ともにチェックが
やり易くなる。ただし本当に命が危うくなる可能性があり、注意を要する(笑)。


 主観的・ムード型の決め事では成果が不足する。計数によるブレない共通認識
を行い、目標と実績との見込差額を正しく早くつかみ、的確な対策を打つ。また、
法律を「守って当たり前」の姿勢で順守し、違法行為で失敗しないようにする。
その一方、新しい法律を契機に生まれるビジネスチャンスは見逃さないことだ。

 勘やヒラメキも大事だが、客観的な事実を元に判断するクセを身につけること。
計数、法律ともに未来志向で尊重し、味方にして活用することが大切である。

 〈今回のまとめ〉「勘と科学性」

 勘と度胸だけで意思決定するのでなく、客観的あるいは科学的な裏づけをとる
こと。思いつきで走って大ケガをしないように留意する。特に、事業の行く末を
大きく左右する岐路に立ち、失敗した時の修復がかなり困難だと推測できる場合
は「仮設を立てて検証を行う」という慎重な過程も必要。それでも急ぐ場合には、
復元力を厳しく見積もった上で舵を切る。「一か八か」のバクチは避けたい。
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