伸びる会社、伸ばす経営
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作成日:2020/05/01
【第45回】3拍子の対策〈風土改革〉⑴「原点」



 様々な手を打っても、成果が現れにくい会社がある。良い種を正しく植えても芽が出ず
に、土壌改良という「風土改革」を要するケースだ。それは「原点、活力、自律」の3つ
からなり、まずは根っこの「原点」として「始末、算用、才覚」の確認から始めよう。

1.始末(ケジメ)
 昔から言われる商人の原点「始末、算用、才覚」の一番手が「始末」であり、重要度が
極めて高い。意味は、ケジメをつけて経営資源を活かし切ることで、「始めと終わり」を
ハッキリさせることである。例をあげれば、挨拶、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)、
ダラリ(ムダ、ムラ、ムリ)の排除、朝礼と終礼、指示と報告、借りた金は返す、出した物
は元へ戻す、世話になればお礼を言うなど、何事も区切りをつけテキパキと片づける習慣
を身につけることだ。ズルズル風土では利益は決して生まれない。[第20回ご参照]

2.算用(バランス)
 収入が支出をほど良く上回ることで利益が生まれる。そのためには、得点(収入)を稼ぐ
攻めと、失点(支出)を防ぐ守りのバランスが必要であり、根本にある経営資源のバランス
と充実が不可欠となる。このバランスのことを「算用」(ソロバンの玉合わせ)と言う。
なかでも、商品と顧客と人材の3大要素に目を向けた上で、「B・NB・S」のバランスを
取ることである。鶏に例えて言うと、親鶏(ベース)、若鶏(ニューベース)、玉子・ヒヨコ
(スポット)の構成比に注意することである。親鶏(B)ばかりでは未来がない、若鶏(NB)、
玉子・ヒヨコ(S)の適正比率を実現する開発や育成が求められる。[第21回ご参照]

3.才覚(アイデア)
 持てる知識、経験、情報を駆使してオリジナルの発想をひねり出すのが「才覚」である。
独自のアイデアをどれだけ発想出来るかにより、他社との差別化(良い物、安く、はやく)
を実現出来るか否かが決まる。その有用な3つの方法を推奨する。[第22回ご参照]
 ⑴コンセプト法…物事の本質、目的、存在理由などの原点に立ってヒラメキを得る
 ⑵チェックリスト法…ヒラメキが生まれ易いようなチェックリストを作り活用する
 ⑶ベンチマーク法…他者の成功事例を当方に当てはめ、ヒントをつかみ、応用する



 〈今回のまとめ〉「原点に戻る」

 環境が激変しピンチを迎えたとき、指針として「原点にもどれ」とよく言われる。
いたずらに右往左往せず、企業として、我が社として厳守すべき判断基準を再認識し、
ぶれないことが大事である。始末、算用、才覚の観点で経営資源への対応を見直して
人づくり、物えらび、金づかいの重点政策を具体的に改善することが必要だ。緊急時
は「金づくりの始末・算用・才覚」への集中、平時は「人づくり」が最重要となる。
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