伸びる会社、伸ばす経営
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作成日:2020/03/01
【第43回】3拍子の対策〈基本徹底〉⑵「問題」



 戦略発想に基づき、日々の業務に勤しんでいても、目標通りに成果が生まれないことが
多々ある。そこには大小様々な問題が入り組んで存在しているからだ。ここではそれらを
「みえる問題、さぐる問題、つくる問題」の3拍子で捉え、問題発見力の向上を図る。

1.みえる問題
 売上低迷、利益率悪化、クレーム多発、従業員のやる気減退など、表面に現れて誰もが
気づくはずの問題であり「発生型問題」と呼ぶ。重要な問題に、より早く気づくためには
「鳥の目」という大局眼が必要であり、森の中の木々や葉っぱだけでなく、森全体の状況
を少し距離を置いてしっかり見つめることが大切だ。具体的には従業員・顧客からの声が
正しく速く伝わるような仕組みを作ることであり、従業員意識調査、顧客アンケート調査
などにより客観的事実を貪欲に集め、判定することだ。そして何より目的意識・問題意識
・危機意識を全員で高め、「問題への高感度集団」に成長することが大事である。

2.さぐる問題
 みえる問題の背景にある要因をひも解き、要因→原因→真因と問題の構造を探って行く
ことで見えて来る問題であり「発掘型問題」と言う。みえる問題を構成する人、物、金、
方法などの要素ごとに因果関係を掘り下げ、ポイントとなる問題点を発見することだ。
 何が、悪い結果に対して大きな要因となっているか「なぜか、なぜか」と原因追求して
行き、やがて根っこに潜む真因(真犯人)を探り出す。勘やヒラメキも大事にするが、あく
までも現場に密着して事実を見つけ出す「虫の目」の分析スタンスが必要である。

3.つくる問題
 リスクマネジメントに代表される問題の捉え方であり、潮流の方向・温度などの変化に
いち早く気づき、対応方法を変えられる「魚の目」を持つことである。過去→現在→未来
と時の流れをにらみ、今は問題ではないが、将来に備えておくべき「想定型問題」の1つ
である。倒産危機体験を持つトヨタ自動車は「なぜ×5回」を繰り返し「さぐる問題」を
改善しながら、40年も前から住宅産業に進出した。「車が不要になった時はつぶれる」
という危機感から事業戦略の転換につながったケースであり、代表的な事例と言える。


 〈今回のまとめ〉「問題のレベルアップ」

 「みえる→さぐる→つくる」と問題のレベルを上げながら、強い体質が造られる。
大方の人が気づく問題も見えないようでは即アウトになる。日々、問題発見と改善に
取り組み成果を上げ、さらには未来のリスクを先取りし、早めの対応策を講じること
である。「鳥の目、虫の目、魚の目」の3つの目を磨き、目的(理想)を見据え、問題
(ギャップ)への感度を強め、未来創造型の危機回避レベルまで到達したいものだ。
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