伸びる会社、伸ばす経営
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作成日:2019/12/01
【第40回】3拍子の対策〈戦略発想〉⑶「経営戦略」



 事業戦略「勝てる場の発見」に成功すれば、次に必要となるのは経営戦略「勝てる条件
づくり」である。それは「モノえらび、カネづかい、ヒトづくり」という経営資源に対す
る重点政策を決めることであり、攻守のバランスが大切である。


1.モノえらび(スクラップ&ビルド)
 材料、部品、設備、立地、仕入先などハード、ソフトを問わずモノこそが価値を生む。
例えば生産能力が決まっている製造業の場合、何をつくるかで生産性が大きく変化する。
付加価値の高い物をつくれば生産性が上がり、低い物では効率が低くなる。いかに高品質
の物をつくるかも重要なテーマであるが戦略発想の観点からは品質の前に、その物自体の
選び方が成功の第一ステップとなる。また、事業戦略の要素としての商品、顧客、エリア
も常に見直し、開発・開拓と改善・改良に取り組むことも「モノえらび」である。


2.カネづかい(投資と撤退)
 「資本→資産→費用→収益→資本」とカネを循環させながら、自己資本を蓄積して会社
は成長する。いつまで経っても増えるのは他人資本というのでは行き詰まる。また無借金
経営で潤沢にお金を持っていても、持ったままでは価値を生まない。「生き金」としての「カネづかい」こそが次の新たな価値創造につながるのだ。このように「つくる、えらぶ」よりも成長を続ける手段として何に金を使うか、いかに使うかの「使い方」に主眼を置く
ことが大切である。死に金、捨て金から撤退し、実り多き投資へのシフトが必要だ。


3.ヒトづくり(素質と教育)
 「凡人に非凡な仕事をさせること」が経営者の役割。つまり良い人を選び、使いながら
人材育成する「ヒトづくり」が大きなテーマである。成功するポイントは協育(育つ力、
育てる力、育む力)の仕組みの構築と、OJTリーダー「人をつくる人」を養成すること。

つまり素質と意欲ある人の採用・登用、教育制度・配置転換、人事制度・風土などを整備
し体系化すること、なかでも部門経営者と呼べる幹部社員を潤沢につくることが重要だ。

「金残すは下、事業残すは中、人残すは上。されど金なくして事業成り難く、事業なくし
て人育ち難し」と言う通り、実践の中で「人づくり合戦」を展開することである。

 〈今回のまとめ〉「人材、人在、人罪、人財」
 「モノえらび、カネづかい、ヒトづくり」の基本を習得実践しながら人は育つ。
初めは「人材」という素材が、やがてなくてはならない「人財」に成長する。これ
が「伸ばす経営」の決め手である。パフォーマンスの少ない「人在」や、その存在
が悪影響を及ぼす「人罪」をつくってはいけない。そのために、わが社の「人財」
基準を明確に定め「モノ→カネ→ヒト→…」と好循環する経営戦略を構築しよう。
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