伸びる会社、伸ばす経営
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作成日:2019/07/01
【第35回】3拍子の対策〈バランス〉⑴「心」



 法人も個人もプロフェッショナルな存在として問われるのは「心技体のバランス」だ。
中でも大事な推進力となるのが「心」という「思い」であり「精神エネルギー」である。
それは「理念、信念、執念」の3拍子で表すことができ、詳細は次のようになる。

1.理念(理にかなった思い)
 我が社は何のために存在し、我々は何のために働き、どう行動すべきか、というような
事柄に答えようとするのが理念であり、物事を本質からとらえ、その目的や使命を明らか
にしようとするものである。したがって理念は、自他ともに「なるほど」と理解・納得の
いく「理にかなった考え方」が必要であり、会社や事業のアイデンティティー(存在理由)
の究明から始まる。「社是・社訓」などとも言うが、次の3つを定めることになる。
 ⑴事業理念…どこの、誰の、どんなニーズに、どう応えるのか、事業領域の根幹設定
 ⑵経営理念…経営方法に対する考え方であり、事業成功のために選ぶ経営哲学と方式
 ⑶行動理念…トップも含め働く人に求める、仕事への基本姿勢と具体的な行動基準
これら重点指針を社内外に示し、共感を集めながら、力強く前進できるようにする。

2.信念(信じて疑わない思い)
 理念を掲げ、実践を積み重ねながら成果を確認し、「この道以外に進む道はない」と
自信の持てる状態にまで浸透するとやがて信念に変わる。このレベルに到達してくると、
トップはもちろんのこと、社内の多くのメンバーに天職意識が芽生えてくるものだ。

3.執念(トコトンやり抜く思い)
 社業にどっぷり浸かり、明確な目標設定の下で全社員一丸となってトコトン突き進める
状態になったら本物であり、これを執念のレベルになると言う。理念→信念→執念と進む
には「ザルで水をすくう」ような徒労を排除し、「ザルごと水に浸かる」まで頭ハッキリ
心スッキリの集団になるべきである。そのためには先頭に立つリーダー自身に迷いがなく
様々な失敗体験や苦難を乗り越えてノウハウにしていける「知恵ある執念」が絶対条件と
なる。「会社はトップの器より大きくなれない」というのは正にこのことである。

  〈今回のまとめ〉「社是・社訓、壁に残して倒産す」(川柳)
 理念は単なる作文ではなく、又お題目として唱えれば助かるというものでもない。
理にかなっており、実践して成果が生まれ信念に変わり、トコトン継続する執念に
まで昇華することが必要である。ただ理念の大切さに変わりなく「理念だけでは
生きられないが、理念がなければ生きる資格がない」とも言われる。実行・成果を
生む正しい心(理念、信念、執念)の状況であるか、常にチェックし強化を図ろう。
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