作成日:2019/06/01
【第34回】3拍子の対策〈リーダー〉⑶「部下育成」
リーダーは統率力を発揮し、部下を正しく動かしながら、そのプロセスで部下が着実に 育つようにしたいものである。その部下育成を成功に導くため、リーダー自身が遺憾なく 発揮すべき3つの機能として「モデル機能、指導機能、督促機能」を考える。 1.モデル機能(やって見せる) 「やって見せ、言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ」と言うように リーダー自身の率先垂範が何よりも優先する。自信にあふれる表情や態度は勿論のこと、 自らの実践によってムードづくりを行うことだ。実践・成果こそがすべてであり、自らを 奮い立たせる自燃力と、成果を生んで見せる結果力が決め手である。なかには、自分自身 は出来ておらず「俺はダメだから〇〇さんに教えてもらって」と言う反面教師型の人物も いるが、理想は「あの人のようになりたい」というモデルの姿である。 2.指導機能(言って聞かせる) チームパワーを全開させるためには、モデル機能を発揮しながら、メンバーに対して 目的・意義や具体的な実行ポイントを分かりやすく指導することが必要である。それも 相手の状況やレベルを確認しながら「おい、分かっているか、ちょっと復唱してごらん」 というほどのきめ細かさを持つ。特に、実行ポイントについては文章化(箇条書き)して、 常に目に触れるように貼付し「月度スローガン」などの形で示すことだ。 3.督促機能(やらせ切る) 言って聞かせても出来ない時には督促しなければならない。人を育成するということは 今まで当人が出来ていなかったことの習慣を変え、出来るようにすることである。単純で 極端な例をあげると「歩行喫煙禁止」を定着させるのに36回も言い続けた職場がある。 これは少し大げさではあるが、長年の間に染みついた行為を変えるには根気強く注意する ことも必要になる。関心を持つ、気づく、叱る、継続する、の根くらべであり、リーダー の不退転の育成覚悟という精神エネルギーが決め手となる。そして、出来るようになった 暁には、間髪を容れずに褒めてやることである。これを「激励する」と言う。 |
〈今回のまとめ〉「山本五十六のことば」
冒頭の「やって見せ…」のことばは、かつての日本海軍の司令長官・山本五十六の 名言であるが、これには次の続きがある。「話し合い、耳を傾け、承認し、任せて やらねば人は育たず。やっている姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず。」 よく話し合い、互いに納得した上で、任せて、その頑張る姿に感謝と信頼を寄せる ことが大切だということ。自律型人材を育成することの奥の深さを教えてくれる。 |