伸びる会社、伸ばす経営
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作成日:2018/12/01
【第28回】流行の対策⑹「意識を変える」



 どのような変化も前向きに捉えて積極的に対応することが大切だが、そのため
には従来からの悪しき習慣を払拭することが前提となる。なかでもピンチに遭遇
した時に現れる4つのタイプを知り、自社の意識を変える方向をつかむことだ。

そのタイプと改善ポイントを再確認しておきたい。

1.PO(ピンチ・アウト)型
 体力も体質も未熟な創業期の経営に多い。また社歴は長くとも、比較的順調に
やって来れたために、深刻な不調体験のない免疫力不足の企業も危ない。そして
経営基盤となる商品、得意先、人材が一極に集中している場合もピンチ到来時に
即アウトになりがちである。早目に失敗体験を積むこととリスク分散が必要だ。

2.PP(ピンチ・ピンチ)型
 「何とかしなければ危ない」と発言しながら抜本策を打たず、手をこまねいた
ままジリ貧状況に陥る経営スタイルで、発言の割にはまだ余力がある。そのため
どうしても行動が遅れがちになる。危機に臨む新組織体制をつくり、新たな責任
権限分担のもと改革に挑む。かつての日産自動車の資本提携と新体制がそれだ。

3.PW(ピンチ・ダブルピンチ)型
 行動力に優れ、様々な手を打つが、的が外れていたり、対策の順番が間違って
いたりして、かえって傷口を広げてしまう。さらに症状が悪化し致命的な状態に
突き進んでしまうスタイル。問題の本質と原因を正しくつかむよう、的確な現状
認識を行い、改善ストーリーと行動計画、やらざるを得ない仕組みを作る。

4.PC(ピンチ・チャンス)型
 いよいよのピンチ到来を早期に察知し、真に変わることを決意して「ピンチ」
に感謝しながら、整然と改革に着手する経営。常日頃から「想定型問題」を取り
上げ、シュミレーションしておくことが大切である。

   〈今回まとめ〉「ゆでガエル」
 蛙をいきなり熱湯に入れると慌てて飛び出るが、低温の水の状態から入れて
じわじわと温度を上げていくと、蛙は温度変化に気づかずゆで上がると言う。
居心地の良いぬるま湯のような環境と思っていると企業もこの蛙のようになる
という教訓だ。常に「熱湯」を想定し早目の準備を怠らないことが大切。これ
を「健全な危機意識」と呼ぶ、問題解決の基本スタンスである。
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