伸びる会社、伸ばす経営
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作成日:2018/08/01
【第24回】流行の対策⑵「人間欲求の変化」



 様々な変化の底流に人間の持つ欲求の変化がある。社会学者マズローが唱えた
「欲求5段階説」が有名であるが、これを参考としてその変化のステップを知り、
事業開発、商品・サービス政策、人事政策などに活かすことができる。


1.生理的欲求…会社にとって、食うための仕事・事業という位置づけのレベルで
 あり、まだ独り立ちできていない状況。顧客の食欲、性欲、睡眠欲などの本能
 に着眼した商品・サービスの開発推進。社員が持っている、ストレスを回避し
 快適・自由に過ごしたいという思いに応える政策をとる。


2.安全欲求…一定の軌道に乗って来た会社が、事業の継続を望む欲求である収益
 を上げ、利益・資本の蓄積を図ろうとする。多くの顧客が潜在的に持っている
 安全・安定・安心への思いに積極的に応える商品・サービスの開発、また社内
 においては急な変化を嫌う気持ちを考慮した人事政策の実行などがある。


3.所属欲求…社会に所属する法人市民としての理念・役割の明確化。「人並みに
 暮らしたい」という顧客の思いへの提案。沈滞チームから抜け出し、活気ある
 組織を求める社員の気持ちをとらえた、活性化委員会の発足など。


4.承認欲求…地域・業界のなかで「ナンバーワン」「オンリーワン」などの位置
 を得る「勝ち組=価値組」としての客観的な評価の実現。顧客の抱く「他より
 ちょっと上、目立ちたい」との上を目指す心。不公平な扱いを避け自分の価値
 を認めて欲しいという社員の気持ち。


5.自己実現欲求…会社が、誰に対して、どう貢献するかの使命感(ミッション)を
 確立する。顧客が他人との比較ではなく、自分らしさを追求しようとする思い
 に対し応えられる商品・事業の開発を進める。また社員が自分らしく生きたい
 働きたいという欲求に対して応える、キャリアプランの選択肢を充実する。

   〈今回のまとめ〉「『不』に着眼する」
 会社も顧客も社員も様々な欲求を抱えている。「欲求5段階説」を念頭に置き
ながら、実務的には夫々の持っている「不」のつく言葉を考えることが有効。
例えば「不足」「不満」「不便」「不安」「不快」「不信」などである。その
不を取り除こうとして皆んなが努力する。それに着眼し、手助け出来るような
新しいやり方を考案することが大切だ。状況変化の潮目をつかむことである。
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