作成日:2018/07/01
【第23回】流行の対策⑴「ライフサイクル」
「諸行無常」と言うように、世の全ての物事が変化する。その変化に対応し、 成長を続けるために整然と意識、行動、システムを変えることを「流行の対策」 と呼ぶ。その第一歩は「ライフサイクル」(寿命8段階)を知ることから始まる。 1.誕生期…初めて世に登場したときで、抵抗力もなくひ弱。多くのリスク要因に 目をやり、手を打ちながらも、最大の弱点の補強と最大の強みの活用に徹す。 2.発育期…倍々ゲームのように、量的に大きく伸びる時期。質的な面での充実が 足りないので、貴重な失敗を糧に伸びるように致命傷防止策を講じておく。 3.成長期…質・中身を伴いながら、着実に成長する時期。攻め(アクセル)と守り (ブレーキ)のバランスを上手く取りながら、チャンスを最大限に活かす。 4.栄光期…わが世の春を謳歌する、最高潮の時期(ピーク)。ターニングポイントと なるので、次の成熟を乗り越えるための改善・開発対策づくりに挑戦する。 5.成熟期…量的な拡大が頭打ちになる時期。小手先の改善対策では立ち行かなく なることもある。復元可能性を見極め、ダメなら抜本対策を樹立する。 6.衰退期…目に見えて衰えが進行する時期。これまでの努力・貢献に感謝と報恩 の気持ちを込めながらも、中止、撤退、善後策作りに拍車を掛ける。 7.老衰期…急激に衰え、身動きが取れなくなる時期。実質的には機能しなくなる ので、理性的に準備を進めて来た「次代の新しい対策」への移行を図る。 8.淘汰期…消滅寸前の時期。エンディングのスケジュールの下、新しいものへと 転換を促進する。従来のものを情緒的に引きずらないように注意する。 |
〈今回のまとめ〉「卵、若鶏、親鶏」
ニワトリに例えるとライフサイクルは「卵、若鶏、親鳥」の最適なバランス を早目に取ることの着眼を教えている。卵だけでは「ベンチャー倒産」、親鶏 ばかりでは「老舗倒産」になる。商品、顧客、人材の3大基盤の、特に若鶏と それにつながる卵の生育にエネルギーを注ぐことが大事。人間はおいそれとは 誕生期に戻れないが、経営は次の誕生を迎える承継発展こそがテーマである。 |