作成日:2018/04/01
【第20回】不変の対策⑾「始末力」
昔から商人の必須条件と言われる原則に「始末、算用、才覚」がある。今回は 始末を実践する「始末力」を取り上げるが、その意味はケジメをつけ「経営資源 を活かしきる力」ということだ。文字通り「始めと終わり」を克明にすることで あり、区切りのない「ズルズル」を排除し「テキパキ」と物事を前進させて行く パワーのことである。その重要な着眼点を3つのキーワードでまとめた。 1.「5S」…「整理、整頓、清掃、清潔、躾」を徹底すること。意味は次の通り。 ⑴整理:必要なものと不要なものに分け、不要なものを捨てること。 ⑵整頓:今必要だというものが直ちに取り出せる状態にしておくこと。 ⑶清掃:ゴミやチリがない状態にすること。 ⑷清潔:クモリや汚れのない状態にすること。 ⑸躾:これらを自主的に維持向上できる礼儀作法を身につけさせること。 2.「スクラップ&ビルド」…古いモノを廃棄して、新しいモノを導入すること。 新規に物事を導入する場合は、古くなった従来のものを廃棄するなり、停止を してから行うことであり、ハードとソフトを問わず区切りをつけて実施する。 新たな構築、導入を行う(ビルド)前に、処分(スクラップ)を決定するようにし、 古いものをいつまでも引きずらないことが大切だ。 3.「ダラリの帯」…「ムダ、ムラ、ムリ」を無くし効率の良い仕事を行うこと。 ⑴ムダ:目的<手段。普通の魚を獲るのに捕鯨砲を使うようなことで、ずいぶん もったいない資源の使い方を指す。物を探したり移動するだけの時間、ミス した仕事のやり直し、困難に直面していたずらに時間だけが過ぎるなど。 ⑵ムラ:目的< >手段。上手く行く時と、そうでない時の凹凸の差が大きい。 人や環境条件によるバラツキを無くす型決め、標準化に取り組むこと。 ⑶ムリ:目的>手段。クジラを獲るのに釣り竿や網を使うようなことで、条件が 間に合わずに頓挫する。多少のムリは成長促進につながるがムチャは厳禁だ。 |
〈今回のまとめ〉「決める、守る、守らせる」
人、物、金、時間の資源を有効に使う「始末力」は最も重要な原則と言える。 さらに、そのベースには「決める、守る、守らせる」というケジメがある。また 挨拶や報連相の徹底、信賞必罰の励行、公私混同の撲滅なども、日常習慣として 定着したい始末である。これらを上手くやるためには、組織の上に立つ人達の 「やって見せる」モデル的実践とメンバーへの指導徹底が決め手になる。 |