作成日:2017/05/01
【第9回】不変の対策⑴「不易流行」
いつの世も犯罪は起きるし、人間関係で悩みが無くなることはない。一方では グローバル化、情報化、高齢化、ナショナリズムと目まぐるしく特代は変化して いく。このように時代・環境が変わっても変わらないことと、時代・環境の変化 とともに大きく変わることがある。「危ない経営者」に染まらないための対策も、 この2点から考える「不易流行」着眼が大切である。 つまり、不具合な経営状況から脱却しようと思ったとき、どんな風に世の中が 変わっていても、決して変わらない・変えてはいけない着眼と対応が存在する。 片や、世の中の変化に合わせて積極的に変えるべき対策もある。前者を「不易」、 後者を「流行」と呼び、「不易流行」の四字熟語で注意を喚起するものである。 不易と流行の具体的な内容は、煎じつめると次の6つにまとめられる。 〈不易〉⑴創業の精神…事業を始めた時の思い。燃える使命感とチャレンジ魂。 ⑵基本…先輩が示す熟練のエキス。謙虚に取り入れ体得すべきこと。 ⑶原理・原則…宇宙・自然界の理。人間・社会が守るべき根本の規則。 〈流行〉⑴意識革新…変わっているものに気づき、自らも変わろうとする意識。 ⑵行動革新…周りの変化に合わせて、自らの行動を実際に変えること。 ⑶システム革新…行動が一過性に終わらないように仕組みを作ること。 平たく言うと、いつの時代もどんな境遇でも使命とチャレンジ精神を忘れず、 各分野に確立された基本を踏襲し、世の原理・原則を踏み外さず、社会・環境の 変化に乗り遅れることなく、悪しき習慣から脱却し、行動の中身とリズムを変え ながら、新しいシステム(仕組み)にまで作り上げることが決め手となる。 悪い結果には悪い原因や経過が存在する。それを発見し、改善策を打つとき 「不易流行」の視点で臨むことが大切だ。これも「不易」の大きな柱である。 |
〈今回のまとめ〉「伝統と革新」
歴史の風雪に耐え抜いた伝統ある行事・工芸品・商品などは、途中大きな革新 の節目を乗り越えていることが多い。従って「伝統とは革新の積み重ねである」 というセリフがよく実態を言い表している。健康で長生きする会社こそ、基本や 原理・原則という「当たり前のこと」を「当たり前にやれるように」磨きながら も果敢に変化に挑戦し、それをキッカケに次の成長段階に進んでいるものだ。 |