作成日:2020/07/01
【第47回】3拍子の対策〈風土改革〉⑶「自律」
社員のやる気を高める諸施策を採りながら、目指すべきは「自律型」の風土である。 それには、皆が自己責任に立って自己革新に挑み、自らの夢や願望を叶える自己実現を 成し遂げることであり、究極は自主・自発・自律の社風をつくることである。 1.自己責任 「政府がダメ」「金融機関が悪い」「コロナが元凶だ」と声高に叫んでも何の解決にも ならない。自己の生存権や生活権は自らの責任において守り抜く覚悟を決め、環境や他人 という自分以外のせいにしないことが大事だ。自らが変わることで、状況を打開しようと する「原因自分論」のたくましい考えを身につけたい。自分以外の人や物事に原因や理由 を求めるスタンスを「原因他人論」と言うが、そんな責任転嫁・責任逃避型では真の問題 解決は出来ない。厳しい「自己責任」の姿勢に立つことが革新への第一ボタンである。 2.自己革新 姿勢を変えた後は、発想を変え、やり方を変え、行動を変えることになる。そのときに 必要なのは、全員が「森を見て木を見る」という大局観に立った上で自己分析を行うこと である。とくに大切なのは理想像、求められる姿と現状のギャップを明らかにして、長所 を最大限に活かしながら革新ストーリーを中・長期と短期に分けて組むことだ。短所ばか りに目が向きがちな人は、短所と裏返しになっている長所を発見するように習慣を変える ことが必要になる。例えば「あわて者→行動力に優れる」「寡黙である→思慮深い」など である。短所を厳しく反省しながらも「長所を活かす」発想を堅持し対策を講じよう。 3.自己実現 仕事を通じて自己革新を図り、継続する最終目的として、各人の「生きざま」の実現に 取り組むこと。「天はわれを見放したか」と思うほどの難局に遭遇しながらも、前向きに 「ピンチはチャンス」ととらえ、自らの誇り高いテーマに向かい、明るく、柔軟に創造性 を発揮することである。他人の指図を受けてやるのではなく、自分の発意で主体的に仕事 にチャレンジする風土の培養であり、上に立つ人の自己実現モデルとしての実践が決め手 となる。「楽しいな、長所を活かそう」の声かけが、自然に飛び交う職場づくりだ。 |
〈今回のまとめ〉「5つの顔を持て」
良好な社風をつくるために、上司は次の5つの顔を持ちたい。@哲学者…物事の本質 をつかみ、問題解決と価値創造に挑む。A戦略家…目的と現状を明確に押さえ、「勝利 の方程式」が組める。B心理学者…人の心理を的確につかみ、正しい対応が行える。 C演出家…五感を総動員させて、人心を鼓舞するような言動や環境整備を実践できる。 D教育者…@からCを発揮し、相手の考え方・行動の習慣を変え、部下を育てる顔。 |